1/07/2015

Coach がシュー ブランドのStuart Weitzmanを買収

アメリカのファッション ブランド Coachが、ハイエンド シューブランドのStuart Weitzmanを買収するというニュース


Coachはアメリカを代表するファッション/ライフスタイル ブランドであるが、ここ数年の低迷が顕著だった。

一つ目の理由は、"Affordable Luxury"という、手の届くブランド品というカテゴリーにて、競合との差別化に苦しんでいること。Michael Korsはジェットセッター路線、Kate Spadeはフェミニンでポップなイメージを確立していった中、Coachはポジショニングを見失う形になった。

二つ目は、ロゴを前面に出したバッグを主に、アウトレットを中心としたディスカウントに走ったこと。70年の歴史と格式のあったブランドイメージは結果的に更に落ちる結果に。

売り上げは落ち続けた結果、北米では多数の店舗がクローズに追い込まれた。

そんな中、先頃Coachが踏み出した動きは、大幅なリポジショニング。

新しくクリエイティブ ディレクターとして迎え入れたStuart Veversの指揮のもと、FW2014に新生Coachコレクションを発表。

イギリス人であり、Calvin Klein, Bottega Veneta, Givenchy, Louis Vuittonを経て、 Mulberryとその後Loeweという、Coachと同様にレザー グッズに強い2ブランドでクリエイティブ ディレクターをつとめた経歴がある。その彼が、アメリカン ブランドとしてのCoachを蘇らせたと、好評なレビューを多く見かけた。

アメリカのブランドらしいポップさ、スポーティーさ。リラックスしたスタイリングでありながらも、ヨーロッパ肌の強い彼ならではのフェミニンでスリークな印象もある。

しかし、クオーターが終わってみて、結論、売り上げはあまり上がらず、状況は大きく変わることはなかった。

そこで新しく動き出したのが、シューズ部門の強化。それが今回のStuart Weitzmanの買収に繋がった。
Stuart Weitzmanはレッドカーペットにも常連のラグジュアリーな靴ブランド。カジュアルな部分での強みとしては、広告のKate Mossが着用している"5050"ブーツは、シグネチャーといえるデザイン。

本来はハンドバッグが最大の強みであるCoachにとって、伸びしろのある分野としての靴のプロダクションに、Stuart Weitzmanのノウハウを取り入れる目的。

しかしネットで見てみると、かなり厳しい見方や懐疑的な意見が多いよう。
Wall Street Has Some Concerns about the Coach Deal for Stuart Weitzman
http://fortune.com/2015/01/06/coach-stuart-weitzman/

この記事には、その要点がウォールストリートのジャーナリストの意見をまじえて書かれている。

1. 今Coachが最も集中すべき(大きな損失を出している)分野は、靴ではない。何より主力のハンドバッグである。

2. 今大きな転換を進めているCoachにとって、この買収は足かせになり得る。

3. 売り上げの下落が大き過ぎて、あまり大きな解決策にはなり得ない。

4. Stuart Vervesのコレクションは、ファッション エディター達には好評だったが、実際あまり市場において魅力的ではなかったというサインでは?

記事における厳しい意見は、実際の数字とともに読むとより深刻さを増す。

私は新しいCoachのコレクションはすごく好きで、ロゴ第一のブランドになっていたCoachの再生のようで今後を楽しみにしていた。でもどうやらそのコレクションは市場には反映がまだできていないようで、そして更に新しい動きに乗り出してしまっていて、確かに消費者は恐らく混乱する。

そして更に、個人的には、単にStuart Weitzman の靴とCoachのイメージが繋がらない。Stuart Weitzmanのレザーは黒のイメージ、一方Coachはタンやブラウンやベージュ、そして赤や青といったイメージ。単純に、なんとなくピンとこない。

とりあえず結構大きな買収のニュース。どう出るか、気になる!


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